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定期メンテナンスでエンジンのOHを行いました。今使っているフサベルTE250は去年の11月辺りから乗り始めましたので、実質おおよそ半年ってとこです。
KTMと同じ250EXCのエンジンですが、この手はピストンの当たりが結構きつい印象です。ですので大体半年くらいでリングくらいは交換したいなあと最初から予定していました。ピストンの方は一年に一回は交換したいですよね。お客さんのエンジンなど、過去を振り返るとこの位のメンテナンス期間が正解だと思います。あまり減っていないようなピストンでもフィーリングがガラッと変わるんです。
このマシンはコースを中心に結構乗りました。冬の期間がメインって事になりますので、当然滑る路面が多いですよね、また今年は雪が多い年でしたので、雪中もあったし、激マディーも何回かありました。
よく乗ったなあと思われる写真がこれです。最近のモデルはハイムジョイントとか、ホイールベアリングってそんなに痛まなくなってきましたよね。ブッシュがアルマイト処理されてるってのが理由だと思います。ですがガッタガタになりました。あとは250ツーサイクルのエンジン特性も影響していると思います。パワーの出方が比較的急だと思いますので、負担も多いかなあと思います。
こんな感じですので、やっぱりピストンも結構減っていましたねえ。そろそろ中古車として売り出す前ですし、すっきりとピストンcplをオーダーしました。
今回のメンテナンスの一番の目的は、クランクのバランス取りです。本当はこんなところまでは面倒ですので、まずやりません。
2000年モデル(って結構前ですよね(笑))以降、ベースとなっているKTMのクランクってとっても耐久性が上がりました。90年代は酷かったんですけどね。ですのでマシンを購入してから手放すまでクランクを整備したって人はあまりいないと思います。
今回は壊れたわけでは無くて、何となく最初から振動が多いなあーってずーーーっと気になっていました。でもなかなか整備するタイミングが無くて、結局この時期になってしまいました。
バランス取りは馴染みの業者さんにお願いしているのですが、僕はここに出しています。久保さんの見立ては、バランスウエイトの左右が少しずれていたよって事でした。クランクセンターもしっかり出していただいて、やっぱやっといてよかったなあとばらばらのエンジンを見て思いましたね(笑)。
クランクの組みつけに入ります。今回は走行距離としてはそれ程使っていないエンジンですので、ベアリング類に痛みは殆ど無しって事で、しかも自分のエンジンですのでさささっと洗浄して組立作業に入りました。
いつも行っている分解点検組み付け作業っていうのは、洗浄にとても時間を使います(これはサスペンションでも同様です)。準備が非常に大切だと思います。
サイドベアリングには、以前から興味があったWPC処理を行いました。当然ですが、フリクションレスと耐久性の向上を狙っています。あとは遊び心です。いろんな人に聞いても良い評価しか聞かれないんですよね。
自分のマシンのエンジンメンテナンスって(まあそれに限らずなのですが)、結構時間のかかる作業でもありますし営業時間外に行っていますので、正直今一歩テンションが上がらない時が多いのですが、こういった新しい実験的な要素を入れていくと作業も楽しんで出来るんですよね(笑)。
ボールベアリングはWPCがかけられないって事で、ニードルベアリングのみになります。ちなみに右がかける前、左がかけた後になります。
ケースの交換パーツは、あとはセンターガスケットとクラッチカバーのインナーガスケットくらいです。結構走行している車両ならウォーターポンプのシールやベアリングも一緒に交換してしまうことが多いです。
下回りを組み付けた後、今度は上です。ピストンにもWPCをかけちゃいました(笑)。担当の方に説明を聞いて、かけられるところは全てお任せしますって事でお願いしたのですが、ピストン周りは、ピストン、リング、ピストンピンって感じで作業していただきました。フィーリング、良くなりそうでしょ??
排気デバイスの掃除です。結構がんばって乗っていたので、カーボンの固着とかは無いだろう、と思ったのですが、そこそこ溜まってました(笑)。でもまあ250の2サイクルだし仕方ないですよねー。掃除はとにかくカーボンを落とすって事です。組みつけの際は、メインフラップの両端のカラーをしっかりセンター出ししないとフラップの動きが悪くなるときが有りますので、ちょっとだけ注意ですね。この付近のOリング類は全て交換します。
左が洗浄前、右はきれいにした後の排気デバイス廻りです。
これ便利アイテムなのですが、このクリップはかなり便利です。250の2サイクルとか、あと大きな排気量のクリップってすっごく固くてセットするのに苦労します。ピストンとかにぎぎぎ(笑)って傷が付いた事ありませんか??。今はクリップをセットする特殊工具が出ていますので、これを購入するのが一番良いのですが、これもなかなか良くて、ピストンを取り寄せた時は一緒にオーダーしています。コンプリートにはクリップも入っていますので無駄な出費なんですけど……
品物はKTMの80年代のパーツになります。説明は省きますが、昔のピストンって普通のCクリップだと組みつけが面倒な形状をしていたんですね。
一応エンジンのコンディションが今一歩って事は気が付いていたって事なんですが、、時間があるときでもこの辺りまでは最初に見ておいたほうが良いってことですねー。工具は確か06辺りから寸法は変わっていないはずですので、その頃作った(っていうほどの代物ではないのですが)物です。専用工具って前はメーカーから出ていたのですが、今はあるんでしょうか??
一番最後にジェネレーターを組みます。汚れ、結構酷いですよね。
この件に関しては、以前自分で解説をしておいたにもかかわらず、ほったらかしで乗っていました。やっぱりたまにカバーを開けてクリーニングしなくちゃ駄目ですねー。ごめんなさいー。
フロントフォークもおそらくこのマシンでは最後になるであろうオーバーホールを行いました。
モデファイを最後に行ったあとエンジンを分解し始めて、暫くの間乗っていませんでした。随分早いタイミングになるのですが、これには理由があって……
とある日曜日、朝からどしゃぶりだったのですが、出かけました。降っても比較的開けられるサンドコースを走りました。雨降りのサンドって乗り終えるたびにフォークシール周辺をクリーニングしないと、すぐにオイルシールが駄目になっちゃうって事が多いのですが、今回は特に気にせず何セットか走ってしまいましたので、これが原因でしたね。この時は特にひどくって、オイル洩れのほかに、これも何年かに一回は体験するのですが、フォークが全くストロークしないって現象(笑)が起きました。
この症状の原因が今一歩良く解らないのですが、スライドメタルを交換すると通常の動きになりますので、メタルが水で駄目になってしまうのかなあ?って所だと思います。メタルを交換しなくてもクリーニングだけでOKかもしれませんが、ここのところメタル類の価格も随分安くなりました(一個\1000位)ので、気持ち悪いですし当然交換が良いと思います。
フォーク洗浄はいつもよりも時間をかけて行いました。インナーカートリッジのパーツが痛んでいるのでは?と少し心配だったのですが、全然平気でした。いつも通りフォークシールとスライドメタル類を交換したのですが、今回もメタルにWPCをかけました。なんか今回はこればっかになってしまいましたねー。
これはエンジンパーツで試す前から行っているのですが、効果は出ていると思います。一個辺りのメタル代とWPC処理の合計金額は、以前のメタルの定価より安く済むんです。皆さんも一度試してみませんか? いかがでしょうー。
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