250SXF、去年の11月から乗っています。最初はやはりマシンの基本的な性能をよく理解したくて、ずっとノーマルで乗っていました。エンジンパワーは250とは思えないくらい出ていると思います。サンド系の高速コースなんかだとサスペンションもベストと言っても良いものだと思います。これはこのまま乗るのが一番良いんだろうなってのは当然感じました。
ですが、そんなに気分良く走れる高速コースばかりに出かける訳ではないですよね、もっと狭いコースとかツルツルのコースもありますし、小石が浮いていて、荒っぽい場所もあります。エンデューロライダーとしては、好んでそんなところばかり走る事になるのですが、そういったシュチュエーションだととっても扱いにくい代物になってきます。やっている事がこのマシンの求めている事と反対側を行ってるんですね。
このバイクを選んだ理由は、やっぱり最新式に乗りたいというのが一番大きくて、リンク付きのサスペンションやFIの事も勉強したかったし、レベルの高いバイクに乗りたかったんです。その他に何を考えているのかというと、去年も125のSXを選んだのですが、ハイスペックのモトクロッサーをエンデューロでも使えるマシンに上手くセットアップしてみたいなーって言うのがあります。
レクリエーションです。でもその割りに、かなり多くの作業が必要だと思います。その分勉強にもなりますし、アイディアも浮かんでくるんですよね。
もう何年も前になるのですが、01、02あたりのファクトリーマシンに乗る機会がありました。マシンは250EXCで、ユハサルミネンとヤコフアグラってライダーが乗ってた練習車でした。これが見事にEXCとSXの中間地点みたいなフィーリングだったと思います。かったいバイクだなーって思ったのですが、意外に滑る路面でもスルスル走れた気がします。エンジンもすごいパワーだったのですが、SXとはやっぱり違うフィーリングだと感じました。低速がモリモリでなんだか上が伸びない感じでしたけど、まあ僕が開けられなかったんでしょうね。
当時ファクトリーで何をしていたのかは部分部分でしか見ていなかったのですが、今のファクトリーマシンよりもノーマルパーツが多く使われていて、遠く離れた日本でも同じような事が出来そうだと感じました。ノーマル車両を上手くパワーアップして壊れにくいようにセットするっていう作業がメインだったような気がします。
そうそう、ですので、中間地点を作りたいんです。SXともEXCとも違うやつですね。
手始めにエンジンをもう少し滑る路面で噛むようにしたいと感じました。ツルツルの路面だとこのエンジン(サスペンションも影響していると思ったのですが)ほんっとに噛まないですよ。そんなんでFIのマップを書き換えるべく、ユーザーセッティングツールを注文してみたのですが、なんと、三月まで入荷しないとの事でした。まずいなーっていくつか業者さまに聞いてみたのですが入荷時期はどれも似たようなタイミングでした。残念・・・なのですが、空いてしまった時間にするべき作業がいくつかあって、まずはお約束のサスペンションですよ。今年もまた此処からなのかと、いまいちテンションは上がらない雰囲気なのですが、始めました。
リンクつきのリアショックの取り外しなのですが、新車のセットアップの時は随分面倒な作業だと感じたのですが、まあ一般的に進めると単純作業で、時間もかかりません。10分ですね。シート、タンクを外し、サイレンサーを外します。キャブのダクトのバンドを緩めてサブフレームのボルト上側を緩めます。下側は外して、ダクトに付いているセンサーを外して後は上に持ち上げるとショックをすんなり取り外せる状態になります。
まあ、PDSのショックの取り外しはこれの半分以下の時間ですみますが、このあたりは仕方ないですよね。簡単な作業です。
まずはリアショック。ノーマルの性能はモトクロスコースを走るにはピカイチです。特に高速系はとっても良いです。リンクレスの時に来た放り上げも勿論無いですし、余裕があります。底付きしませんし、ストローク感は十分です。
気になるのは車高が高いって事ですね。後は、このモデルを最初に乗ってみたのが爺が岳で、ガレ場の登りが悲しくなるほど走れませんでした。
その二点を踏まえて、エンデューロ向きのセッティングに入ります。圧側のシムをかなり大幅に変更しました。このあたりは当然な作業だと思いますが、ちょっとやりすぎたかな?感があったんですが、まあテストですので多めに振ってみます。
並行してローダウンも試していきました。ローダウンの寸法は、自分の体格に合っているかってことと、普段どんな使い方をするのかって事になりますので、おおよそで一定の寸法で通しました。みたいな事を今年に入ってから毎週変更しました。フロントとのバランスを見ながらですので、なかなか一発では決まらないんですよね。
作業していて気を付けなければならないと思われる点ですけど、シールホルダーとリバウンドディスクの間に入るスプリング、これはローダウンのカラーを作る際気を遣います。寸法に合わせたバネ長の品物を用意するのがベストですね、恐らく。
一度作業内容に対して時間が無くて面倒に(笑)なった時、このスプリングを外して組んで乗ってみました。なんて説明したらよいのか難しいフィーリングなのですが、ふわふわした感じが無くなって、良くなかったです。振られ飛びするって言うのか、初期の動きがあんまり良くないというか、とにかく良くなかったです。このシールホルダー廻り、SHOWAそっくりだと思いました。WPもちょっと前にスプリングをいれていたことがあったのですが、もっと線径がぶっとくて、短いタイプでした。その頃のタイプよりも体感できますね。
何気なくパーツリストを見ていて気が付いたリバウンドディスク、なんで二種類有るんでしょう。寸法の差は僕がチョイスしたローダウンの寸法と同じです。
モタード用なんでしょうか、何ですかね??、誰か教えてくださーい。
一連の作業の中で気に入った工具です。現地でスプリングプリロードを変えるのに最適です。右がリンク付き用で左がPDS(リンクレス)用です。緩めるときと、締める時、それぞれひっくり返して使います。これは買いですよね。お手ごろ価格でもあります。
ショックのセットに対して、フォークのセッティングも変更します。やはり同じくシムの並び替えと、ローダウンの寸法を変更していきました。
フォークに関してもノーマルの動きはとってもOKですが、僕らの使い方としては初期作動が良くないですよねー。細かなターンでフォークを沈めることが出来なくて、これをもっとクイックに、もう少し中に切れ込むようにセットするっていうのが目標ですね。リアショックに対して、こちらも週末にあわせて毎回変更しました。
すごく役に立ったのがフサベルJAPANの産方さんにいただいたアドバイスで自分レベルですが、なんだか開眼した気分でした(笑)。産方さん、感謝です。フサベルに有って、KTMには無いものを見つけたんですよ。
ローダウンの寸法をすぐ変えられるって事で、旋盤は便利です。イメージは適当にコロコロ変わるときがありますので、その都度対応出来るっていいですよね。
これはフサベルに使われているフォークシールです。KTMで言うと多分SXSサスペンションキットに入っているシールだと思います。青いシールですので目立ちますよね。で、手に入らないか問い合わせてみたところ、ごく普通に入手可能でした。一個 \1300です。KTM(WP)純正がオイルシールで \2100ですので、かなりお得です。この辺りの価格帯は随分前から気になっていて、何とかもう少しリーズナブルにお客さんに提供していきたいと考えていました。
しかもこのシール、滑ります。フリクションが断然少ないような気がするのですが、今後の様子見としたいと思います。その辺りも含めて、耐久テストです。持ちのほうは如何なもんでしょうかねぇ。
初回のテストとして、最終的に前後ともソフトスプリングにしました。シムの並びまでソフトに振っていますので、かなり柔らかな仕様変更になります。
フォークに関しては、去年から見ている限り、もともとの性能が高くてそこそこソフトにセットしても全然モトクロスコースも走れますし、へっちゃらな感がありました。
リアショックはと言うと、こちらもリンク付きになり、PDSだと考えられないようなセットが可能になったと思いました。柔らかくなっても普通に気分良く走れます。シムの変更と、ソフトスプリング変更、それと細かなところが色々ですが、これが現在の内容になります。車高調整はある程度のデータを取った後、元に戻しました。
一点、フォークの車高調整に関しては興味深い事があっていろいろ試しているところです。EXCとSXの大きな違いの一つがこの辺りではないかと考えているところなのです。ショックの寸法はそのままで、フォークのみってのも有りかな?ってところです。
KTM純正のスリッパークラッチです。2サイクル、しかも125からの乗り換えですので、4サイのエンジンブレーキがどうにも上手く使えなくて入れてみることにしました。
やっぱりらくちんですよ。リアタイヤがロックしなくて、コーナーにスルスル入れます。エンストも断然しにくくなって、エンデューロでは最高のアイテムではないかと思います。すごく良いと思います。
でもなんだかこのスリッパーは、クラッチレバーの遊びがその時々で変わるのと、アクセルを開けたときのレスポンスがたまに良くない(ガツーンと出ない)事がある様な無い様な・・・なんですね。組み方が悪いんでしょうか。
ひとまずSTMがもうそろそろ入荷する予定で、こちらも試してみる予定です。いずれにしても上手くセットできれば、使わない手はないパーツだと思われます。
最後に池田さん、ありがとうございますー。
関連するエントリ: