Mondo Motoホーム > 雑記index > 雑記006

キャブレター交換

 今回からエンジンでも少しずつ遊んでいきたいと思います。いままでサスペンションのセッティングばっかりで結構飽き飽きモードだったんですが、エンジンとなるとやっぱりわくわくします。勿論サスペンションも自分なりに煮詰めて良い結果が出たときは「決まったぜ」となりますが、やっぱりオートバイの魅力ってエンジンフィーリングから来ると思うんです。

 今回からノーマルで素晴らしく扱いやすいKTM125EXCのエンジン特性を、あえて(乗りにくくなるかもしれませんが)ライディングしていて楽しいものに変えていきたいと思います。実はこのバイクを買った時から何よりも最初にこれをやりたかったんです。

 ケーヒンPWK39mmです。08までの125SXに使われていました。EXCでは98、99に使われていました。手っ取り早く一番パワーが出るキャブレターだと思います。00から05までが38mmのバットウイング付きで、06から36mmに変わっていきます。

 36mmのフィーリングは付きレスが良くて乗りやすくて楽に乗れるんですが、面白くないんですよね。最初にこれに乗ったのがスロバキアのSIXDAYSでした。バイクを渡されてテストトラックで乗ったとき「つまらねーバイクだな・・・」と思いました。上が伸びないんですよね。

 それでも08あたりからはクリーナーBOXの容量が増えた事もあってなのかだんだん良くなりました。反対にちょっと低中速のトルク感が少なくなったかな?という印象でした。

 が、今年のエンジンは非常に良いんですよね。パーツリストでいろいろ調べてみたのですが、これといって変更箇所が無くて、変更されていたのがピストンだけでした。

 何の変哲もないな? と思ったんですが、従来のピストンと比べたらテフロンコートのかかり方が違っていました。何となくのっぺり厚手に(笑)かかっているんですよね。見比べてみたら解りますが、ホントこれだけなんでしょうかね?

 現在パーツがリプレースされましたので、入荷するピストンはこれだけです。今旧型のピストンが入っている人は、今度ピストン交換をしたときパワーが出るのでびっくりするんじゃないかなーと思います。

 眼光鋭く・・・チームロッカーズABさん(元林道芸人会所属)。このキャブレターを使います。09-125EXCに乗り換えてから長年の成果が出つつあります。日高でのナイスファイトにはチーム員みんなが感動しました。

 もっと面白いバイクにしませんか? でも乗り切れないかもですよ? と聞いたところ「野暮なことを・・・」と快く購入してくれました。で、このキャブレター、\41,370になります。

 まぁ、せっかくキャブ交換なんだからリフレッシュということでピストンリング交換です。まだ3ヶ月しか乗っていませんので少し早いんですが、基本的には良いタイミングだと思います。

 現在のKTMのメンテナンスサイクルを考えると、125なら週一で乗る人で半年以内でリング交換、一年以内でピストン交換がお勧めだと思います。それ以上使っても壊れないと思うのですが、良い状態を保つにはこのくらいのサイクルが良いと思います。

 リングもまだまだ使えます。でも今回は新品に交換しますが・・・





 カーボンの付着もそれ程でもないです。使用状況がMXコース走行とレースが殆どなので、こんなもんだと思います。

 あとチョイスしているオイルですが、ShellのレーシングXを使っています。40:1で濃い目に使っているんですが、エンジンフィーリングも軽くて、カーボンも付着しにくいオイルだと思います。似ているところではHirokoなんかもこんな感じでした。とっても良いオイルだと思います。

 きれいにシリンダーを洗いました。排気デバイスのパーツも洗浄して組み付けします。

 組み付けるのに単純な2サイクルエンジンでも、所々ポイントがあります。シックネスゲージを入れているのは、メーンフラップのサイドのクリアランス。マニュアルでは0.2mm(両サイド)と書いてあるんですが、極力広めの方が調子がいいんですよね(笑)。気のせいでは無いと思うのですが・・・

 メーンフラップが適正な位置から作動を始めるかどうか(マニュアルで言うディメンションZ)を確認するためにポンチマークを打ちました。新車時に打っておくと、いちいちヘッドを外して確認しなくてもサイドの窓を外せば簡単に確認できます。ディメンションZって結構くるっている事あるもので、そうしています。

 これは純正品で出ているディメンションZをチェックする工具です。シリンダーヘッドからフラップまでのクリアランスを合わせます。切り欠きの左が125、右が200EXCです。

 簡単なエンジンですけどね。他にもポイントはありますが・・・最も重要なことは、きれいに洗って、組み付け作業のとき「走るエンジンになるんだよー」という気持ちを込めることかなと思います(笑)。これも気のせいでは無いと思います・・・多分。

 作業ついでにサーモスタットを撤去します。いらないですよねこれ。このバイク、レーサーですし。目的はオーバーヒート対策です。でも125EXCは相当な事をしないとクーラントが噴くなんてことはありませんので、今回の場合はレーサーらしさを出す事と、メンテナンス性の向上、あとはほんの少しだけの軽量化(笑)です。ほとんど意味の無い作業と出費です。ですがオーバーヒートし易い250EXCとか、4サイクルEXC全般には効果が出ると思いますが、いかがでしょう?

 すきっきりしたでしょー。バイクを作っていくのってほんの小さなことの積み重ねですよね。レース中とか、みんなで出かけた山の中でトラブルになりそうな箇所を想像しながら少しずつ改善していく。そんなものだと思います。

 キャブレター取り付け後の写真が無いのですが・・・取り付け作業はABさんにお任せしました。ポン付け出来ます。キャブの幅が36mmよりありますので最初だけ少し苦労するかもしれませんが、問題ありません。

 初期セットは過去に自分がセットしていたセッティングをベースにして、MJ185、PJ45、JN1470R、ポジション2段、パイロットスクリュー開度一回転で始めました。

 試走したのは木更津(W松浦さんのコースです)でした。オープンしたばかりなんですが、すでにいっぱいコースが作ってあって、それぞれタイプの違うコースレイアウトなんです。MXコースは長いストレートといろんな種類のコーナーがミックスされていて面白いです。しかもアップダウンがあるし、僕のようなジャンプが苦手なエンデューロライダーでも十分楽しめますよ。長い外周路がエンデューロコースでこれがなかなか手強いんです。この日もMXコースを走った後に外周を走るといったコスゲ式トレーニングをそれぞれ自然に行っておりました。

 で、ABさん曰く、中速が増えて面白いのと、パワーが36mmに比べてゆっくり出てくる感じで、固いコーナーと平らなコーナーでスロットル操作が楽になったとおっしゃってました。が、エンデューロコースの登りとかで低速のトルクが少なくなったんで苦労するんだよねーとほざいて・・・じゃなくておっしゃっていましたので、これを課題としたいと思います。

 セッティング方法としては、1470とか1469とかのMX系で使っている針で詰めていくことと、NOZ系の針で詰めていこうと思います。結果報告は次回以降になります。

 で、僕が使うキャブがこれです。

 ケーヒン38mmAG、しかもショート。09の125SX用です。雰囲気で扱いやすくてパワーが出るんだろーなーと思いましたが、どっかんパワーなら39mmだよなーと少し悩んでから、やった事無いしこれを買ってみるかなと思いました。

 で、価格を調べてみたところ、\49,665。ぐぉーーーゴマンエンじゃねーかよ。2サイクルのキャブの値段ってレベルじゃないですよね?

 ここで重要なのがこのキャブレターはKTM向けのOEMなんですよね。なので国内で手に入らないキャブなんです(のハズです)。スロットルワイヤーの取り付け方とか、NJのタイプとかいろいろ変えてあるんだと思います。セッティングは極力短時間で、真っ直ぐに。ベースがあるのならそれを絶対使うべきだと思います。「もうカネの問題じゃねー」といったところです。

 試走報告は次回という事で。まだ取り付けていないんです。それからノーマルキャブのセッティグのまとめもしたいと思います。

 リアショック。ずっと気になっている部分です。バイクは09なのに08のショックを使っているのは納得いきません。08ショックを使っている理由はセッティングパーツが入荷しない事なんですが、ボチボチ諦めましょう。新型のシムはほぼ入荷しましたので積層は変えられます。足りないのはシム2種類とニードルです。

 納得は出来ませんが、とにかく組んでみました。09から構成パーツがいろいろと変わっている事と、使いたいものを使えずに組みましたので、念のためダンピングテスターで確認してもらいました。お願いした先はトガシエンジニアリングさまです。08(改)と09(改)の比較の結果、返答は新型のがいいよー。でした。僕の中では積層具合で判断したら09の方はより固いバネを使わないといけないんじゃないかなーと思ったんですが、そのあたりも同じバネで試してみてOKという返答だったので意外でした。

 そんなこんなで乗ってみた結果、良かったんですよね、09の方が。午前中から午後まで08のショックで乗り込んでから最後に09に付け替えて乗りました。まあ一般的に言われる初期作動が良くて最後にしっかり踏ん張ってくれるというショックになっていました。ストローク感も当然出ますよね。08までのショックは最後の踏ん張りが足りなかったので当然積層を増やしていました。結果的には初期から中間までの動きも固くなってしまって、リジットな感じだったんです。レースの場面で例えると、ルート内のガレ場とか川の中、あと木の根っこだらけみたいな場所はある程度我慢するかな、と言った感じでした。それでも底づきの踏ん張りが欲しかったんです。

 どうしてこんなに良くなったのかなー?というのは構成部品の変更によるものなんですが、これから更にいろいろ試していきたいと思います。08(改)はあんまりお客さんに勧められなかったんですが、今年のは今の状態でフォークもショックもすごくお勧めできるセッティングになりました。興味のある方はぜひご連絡くださいませ。




2008.12.20.


関連するエントリ:


Mondo Motoホーム > 雑記index > 雑記006