暗闇にたたずむトガシエンジニアリング。
今回僕は何もしていません。殆どの仕事をお願いしました。通い始めたのは二年位前からです。随分前から知っていたんですが、なかなか敷居が高くて入れませんでした。飲み友達の秋元っていうおじさんに紹介してもらってからというもの、何か困った事があるたびに、仕事をお願いしています。
僕の相手をしてくれる上中さん、行く度に「今度は何??」って恐い顔をするんですが、真面目に問い合わせるとそれ以上にクソ真面目に返答してくれます。理論的で図面も引けるし、一品物の作成もピカイチです。オートバイに乗ってもロードの国際A級らしく、本人も相当走るみたいです。僕は理屈が苦手なんで乗ったときのフィーリングで質問すると、それをちゃんと理論的に解釈して説明してくれます。技術的な情報もオープンに教えてくれるし、こういう人ってオフの業界にはあんまり見当たらないなーと思います。
いろんな仕事があるようでいつも忙しいそうにしているので、ここの入り口を通るときは毎回ドキドキするんですよね。
本題前に・・・
キャブレーションです。やっと関東のじめじめした気候も行ってしまって、エンジンも本来の性能が出てくる季節になりました。日高から帰って来てから薄々のキャブレーションに気付いて、
僕なりのセットなんですが、パイロットスクリューは一回転以上開けないようにします。それ以上開けるとツキレスが鈍くなるんですよね。他のメーカーのバイクはどうなんでしょうか?
ジェネレーターです。今更って言う人もいるんでしょうけど、洗車のあと毎回開けてエアで水分を飛ばします。90年代のKTMからやっているとそんな癖が抜けないんですよね。SEMの電装の頃はこれをやってラスペネを吹きかけておかないとすぐジェネレータが壊れちゃうんだと念仏のように言われました。やっぱトラブルも多かったんです。
さて、今回の本題です。
写真はめちゃめちゃに置いてありますが、09と08のショックの分解写真です。
フォークもだいたい決まったし、さてショックでも決めてみるかなーと思ったのは良いのですが、いろいろ調べてみると08までと09のショックって変更パーツが結構あることに気が付きました。それで09からのパーツをオーダーしてみたのですが何故か一向に入ってこないんですよねー。KTMにしては珍しいなーと思いつつ、退屈なんで、それじゃあまずはフィーリングの良かった08のモデファイしたやつを組んでみたらどんな感じなんだろうと思って探したら名古屋の中嶋さんが快く貸してくれました(僕の自由研究に付き合ってくれて、いつもありがとうございます)。
で、このショック、いろいろ理由があって(僕も思い当たるふしがあるんですが)シリンダーボディーのねじ山がめちゃめちゃに潰れています。まずこれを直さなきゃということで、トガシさんとこに行ってみました。写真は修整後のものです。きれいに直してもらいました。
08と09のニードルです。底突き性能に影響の出るパーツです。マニュアルで確認していたんですが、ニードルを固定するナットまで変更になっていてびっくりしました。実際に比較するとかなり寸法に違いが合って、実際の乗り味にしたらどんな感じになるんだろうなーと思います。
ついでといったら怒られるだろーなーと思いつつ、ニードルをクイックで交換する特殊工具を作ってもらいました。どうですか?みなさん。かっこいい出来ですよねー。僕はうっとりしちゃいましたよ。
左が09用、右が08迄用です。
トガシさんにお願いした仕事も終わり、後は組みつけです。まず08のショックのモデファイです。今後このショックと09のモデファイしたものを比較したいと思います。09ショックは当面パーツ待ちになってしまう模様。何とか全て揃うと良いのですが。
今回いろいろ試行錯誤しましたが、なんでそんな必要があったかと言うと、これです、ナンバー2ピストンのリバウンド側の逃がし。乗っていてこれが気に入らなかったんです。
良い面を考えると、バイクを前に押し出す感じが出るんだと思います。鼻歌交じりで尾根道なんかを走ってるときは良いんでしょうね。逆にコースなんかだと、ジャンプ(僕は大して飛べませんが)のタイミングが取りにくかったり、ショックに荷重をかけていたい時なんかの妨げになる感じなんですよね。
狙いはたったそれだけのことだったのですが、依頼内容はけっこう複雑になってしまいました。それでも、忙しいにも関わらずスピーディーにやっていただきました。上中さん、ありがとうございました。